BLデビューまでの道程。

 私がBLデビューするまでの道程は、平坦とは決して言い難い物でした。
 自分の嗜好を自認し、肯定するまでには其れはそれは随分長い時間が掛かった物です。さっくり自己の嗜好を肯定し、受け入れられるのがさも当然のように振る舞える他の腐女子の皆様方を見る度、私は羨ましい、と思うのであります。とはいえ、これはやおいに限らず。あらゆるオタク趣味が私にとってそういう物なのですが。ここではBL話だけにしておこうと思います。


 私の初やおい体験はキャプテン翼でした。といっても、私はこの作品が嫌いでして、ジャンプを毎週買っていたころでさえ完璧に読み飛ばしている数少ない漫画でした。この漫画のやおいに初めて触れたのは、当時OUTを購読していた私の従兄経由。今にしてみれば、いとこもオタクな訳ですが、当時の私には全然解りませんでした。従兄は結局同人誌には殆ど触れず、即売会にも殆ど行かず、数年前にToHeartを私に貸してくれた、程度のオタクです。
 そんな私が漫画をしこしこ書いているのを(当時は漫画描いていました。今は描きませんが)見て、従兄がやおいにははまるな、と私に強く警告したのです。やおいとはなんぞや? と言う私に、従兄は読者投稿イラストの、世にも美しい女の子二人のイラストを見せたのでした。



 そして従兄は言いました。
「これがキャプテン翼の翼と岬だぞ」



 どうもこれが原体験になっているようです。
 本当は、誰にも打ち明ける相手など居ませんでしたが、私既に同性愛妄想を内に飼っていたのでした。しかし、それはいけない事、ネガティヴな事なんだ、というのがすっかり脳内に擦り込まれ、一度同人を辞めるまではずっと、やおいにもJUNEにもBLにも縁のない同人人生を送ってきたのでした。

 今にして思うと、似たような事は音楽にもありました。きっと偏見無く聴いていればヴィジュアル系にはまっていたに違いないのに、アンチヴィジュアル系の同人友達があれこれメタルを私に聞かせて洗脳させたお陰で、今ではすっかりヴィジュアル系を受け付けない体になってしまいました(笑)。ヴィジュアル系特有の作り込んだ声がかなり苦手になってしまったので、これから聴こうという気には残念ながらなれないのですが。


 では、何故復帰したのか? 吹っ切れたのか?
 それについては、次回のエントリで語りたいと思います。